2026.1.28

― 福井・丸岡から生まれた、レピヤンリボンの物語 ―

細幅織物の町・福井県丸岡町

福井県坂井市丸岡町は、幅13cm以下の「細幅織物」の一大産地として知られています。 人口3万人ほどの小さな町に、全盛期には大小1000軒もの細幅織物工場が立ち並び、町全体が織物の音で満ちていました。

現在は約40軒にまで減少しましたが、今もなお伝統技術と丁寧なものづくりが息づいています。 その中でも、チロルリボンを量産できる国内最後の工場といわれるのが「エイトリボン」です。

倒産からの復活劇 ― 職人技を未来へつなぐために

エイトリボンの前身である「丸岡エイトリボン協業組合」は1961年に創業。
しかし2015年、経営難により廃業が決定。
設備も建物も創業当時のまま、工場にはどこか寂しい空気が漂っていました。
そんな中、「残された織機を引き取らないか」という打診が届きます。
見学に訪れたのが、現在の工場長・松川享正でした。

初めて工場に足を踏み入れた瞬間、松川の胸に湧き上がったのは意外にも“ワクワク感”。
レトロでノスタルジックな空気、油の匂い、埃っぽい空間。
そこから生まれるリボンは驚くほど可愛く、織技術には無限の可能性がありました。

一度は経営引き継ぎを断ったものの、この工場の未来を思い描くうちに決意が固まり、
エイトリボンは新たなスタートを切ります。 ここから、復活への物語が始まりました。


レピヤンリボン誕生 ― “つくる”を応援するブランドへ

エイトリボンと出会ったとき、松川には2つの想いがありました。

  • 工場のストーリーをまるごと伝えるオリジナルブランドをつくりたい

  • このレトロな工場を、人が集まる場所にしたい

その想いに共鳴したアートディレクター・高須賀活良さんの熱いオファーにより、
オリジナルチロルリボンブランド「レピヤンリボン」が誕生します。

レピヤンリボンのテーマは「“つくる”を応援するブランド」。
商用利用もOKで、ハンドメイド作家さんや手づくりを楽しむ方々の“パートナー”のような存在でありたいと考えています。
メイドイン福井のチロルリボンを通して、つくる喜びを共有しながら育ってきたブランドが、レピヤンリボンです。

工場は人が集う場所へ ― 工場見学とRIBBON’S CAFE

松川が工場を初めて訪れたとき、頭に浮かんだ光景がありました。
「この工場にたくさんのお客様が集まり、楽しんでいる姿」。

そのイメージを形にするため、2015年から小さく工場見学を開始。
2021年には工場の一部をリノベーションし、
北陸新幹線福井開通を見据えて、2023年1月にファクトリーショップ「RIBBON’S CAFE」をオープンしました。

工場見学では、

  • リボンを織る織機を間近で観察

  • 糸を準備する機械の一部操作を体験

  • 工場の空気を感じながら製織工程を学べる

といった体験ができます。

見学をきっかけにリボン作品を作る方、織物業界に興味を持つ方も増え、 エイトリボンは“リボンのパートナー”として多くの人とつながり続けています。

未来へ ― 世界中の人が楽しめる場所へ

エイトリボンとレピヤンリボンは、福井のものづくり、日本のものづくりを世界へ伝える存在として進化を続けています。
工場見学やRIBBON’S CAFEを入り口に、 バスツアーや外国人観光客の受け入れにも力を入れ、
「楽しみながら学べる工場」として新たな価値を生み出しています。

細幅織物の町・丸岡で受け継がれてきた技術と想いを、これからも未来へ。